今年度もあと数日で終わりですね。何かやり残したことはありませんか。
私事で言えばスノーボードの板を新しくしたのに一度も今シーズン滑りに行くことが出来なかったので、春スキーに年度内に行ければ良いなぁ、と考えていたのですが、今年度最後の日曜日、福島県は生憎の空模様でゲレンデに行って、かなり遅めの初滑りを満喫するような天気ではないので、冬眠中の熊みたいに家に籠って息をひそめてじっとしています。
それにしても「年」だったり「年度」だったり、なんで色々な区切りがあるのでしょうね。それだけ気分を新たにする必要があったのか、元々国内にあった区切りに新しい区切りを海外から取り入れたのか、今では慣れましたが社会人になりたての頃は混乱したものです。そして年度初めの書類の「〇年度」の所の数字をよく間違えて、古い年度のまま出してしまってやっちまった気分になったものです。
とここまで「ねんど」と入力すると「年度」と変換されていたのですが、なぜか「粘土」という変換が唐突に出てきました。粘土側からすると「僕のことを忘れたりしないで、時々は思い出して捏ねてくださいね」という意思表示でしょうか。
粘土側からするととかどうでも良い事を書いている場合ではないので、本題に入ります。
3月25日、福島県の二本松市にある災害公営住宅若宮団地集会所において、3月の学生食堂を実施しました。学生食堂の学生は福島大学の災害ボランティアセンターに所属する学生さんが参加してくれているのですが、その福島大学では3月24日に卒業式がありまして、学生食堂に頻繁に参加してくれていた学生さんも数名卒業を迎えることになりました。
本当にお世話になった学生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
そして学生食堂は講義がない土日に実施するのが慣例になっているので、元学生さんの中には社会人になっても仕事が休みの時には学生食堂に参加してくれているOG、OBの方もいるので、引き続きよろしくお願いします。
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今回の活動から初めて参加してくれた学生さんもいるので、学生食堂をこれまでどういう目的で、どのような感じで実施してきたかの説明をしています。
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調理開始です。生姜の皮をピーラーで剥いて、みじん切りにしていきます。その生姜をIMG_3851
鍋いっぱいのひき肉に投入していきます。
8回ダルビッシュ、9回大谷のように、
8回漬物、9回カイワレと上に散らしていきます。
すると、なんということでしょう。
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そぼろ丼の出来上がりです。
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団地の皆さんに提供する前にまずは試食です。ひき肉に味付けした甘じょっぱさと生姜のさわやかさが上品なハーモニーを口の中で奏でます。まるでストラディバリウスの音色のようです。
というと完全に言いすぎです。
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学生さんが食事を取りに来てくれた方に卒業の挨拶をしています。そして挨拶後に2ショットの記念写真まで撮影していました。
現在はコロナ禍ということで学生と災害公営住宅の方と一緒に食事はしないで、食事をお渡しする時のみの交流となっておりますが、それでも毎月顔を合わせるとしっかりとしたつながりが出来るんだという事を実感した瞬間でもありました。

今回は少しまじめな内容なので、前置きはないです。
私どもの法人、一般社団法人ちろるでは令和4年度途中から福島県から「生活困窮者支援活動緊急助成事業」の補助金を受けて、物価高だったり、新型コロナウイルスの長期化だったり、理由は様々ですが生活が大変な方に対してよろず相談所という事業を行っています。
よろず相談所だけではどんな事業内容なのか伝わりにくいと思いますので、説明をさせていただきますと、生活が大変とか色々な悩みを抱えている世帯ほど行政や社会福祉協議会のいわゆるどこの市町村にもあって、相談を受け付けている窓口に対して敷居の高さを感じてしまって、相談に行くことが出来ない。相談に行けない、つまりSOSを発信できないのでもっと困ったことになってしまう世帯が少なくないという事がある認定NPOの調査で明らかになったので、それならもっと気軽に、敷居の高さを感じることなく相談出来る、もしくは心に抱えているものを吐き出すだけで心が軽くなれる場所として、アウトリーチ型の相談所を開設しようという事業です。
そのよろず相談所に相談に来てくれた方をAさんとします。
Aさんは女性で、お子さんと二人暮らしです。Aさんはとある精神の病気があるのですが仕事もしていますし、育児もしています。ただ精神の病気があるために食器洗いや掃除、ゴミ出しなどをしなくてはいけないとは分かっていても、やる気スイッチがなかなか入らず、やらなくてはいけないと思っていても、出来ない自分とのギャップがあり、その理想と現実の違いに不安になってしまっています。
また仕事に対しても行かなくちゃという思いはあっても、なかなかやる気スイッチが入らず(もしくは自分でもスイッチの場所がどこにあるのか分からない、もしくは病気ではない人と比べると見つけにくい)仕事も休みがちです。でもAさんは元来しっかりした方なので、行かなくてはいけないと分かっていても行けていない自分に対しても不安を感じています。
ですから、Aさんにお世話になっている主治医の先生に意見書を書いてもらえるならば、精神障害者手帳を取得して、家事でやろうと思っていても出来ない所は手伝ってもらって、不安を少しずつ減らしていくようにしてはどうかと伝えました。もちろん精神障害者手帳を持つことによってのメリット、デメリット(デメリットはほとんどないですけど)もお話した上で、Aさんには納得してもらって進めています。Aさんが主治医の先生に自分で話すのが難しい場合には自分も同席することを伝えたのですが、Aさんは自分一人で大丈夫ですとの事でした。
数日後Aさんから電話があり、「先生に話したら主治医意見書を書きますよ」との返答があったという事だったので、次のステップとして行政機関の窓口に行って精神障害者手帳の申請書類をもらうのですが、これも一人では不安ならば同行する事を伝えたのですが、一人で行ってみるので大丈夫との事でした。
それからしばらくAさんからの連絡がありませんでした。心配になったのですが、こちらから連絡してしまうと促したり、催促してるみたいになってしまっては良くないと思って控えていたのですが、3週間程度経過した後にAさんから連絡がありました。
行政の窓口に行ったら、今の状況なら生活保護を受けることが出来るかもしれないので、社会福祉協議会にも関わってもらうようにしましょう、という話があったとの事でした。その後社会福祉協議会の担当者から「この場所ならば車を所持していても生活保護の申請が出来るかもしれないので、申請を進めてみましょう」と言われたとの事でした。しかしその後「やはりこの場所でも生活保護で車を難しいし、生活保護を受ける場合には住宅扶助で入居できる場所に引っ越しをしてもらうようになります」という話を受けて、「車を取り上げられては子どもの迎えにも行けないし、引っ越しをして生活環境が変わってしまったらより不安になる事も多くなる」という理由で申請を辞退することにしました。
誰だって目の前に希望の光をチラつかせられたら、その光に縋り付きたくなります。困っている状態であれば猶更でしょう。まして精神の病気中です。このことが原因でAさんは気分的に沈み込んでしまって体調を崩し、仕事も休みがち、子どもの面倒も以前よりも充分にみることが出来なくなってしまいました。
行政や社会福祉協議会はいったい何のためにあるのでしょうか。
その地域の住民に希望をチラつかせ、その後やっぱり駄目だったよ、と絶望に突き落とすためにいるのであれば、この話の登場人物は十分に役割を果たしていますが、SOSを発信してくれた人(困難な所にいる人が自分が困っているよ、とSOSを発するのは、それはすごい勇気のいる一歩だと思います)が安心して生活できるように時に支え、時に伴走するのが専門機関としての役割というものでしょう。
そもそもAさんが生活保護を受けることが出来るのであれば、最初の段階で私が提案しています。しかし以前の仕事の経験からAさんが住んでいる地域では車を所持していれば保護申請が通るのは難しいことは経験として知っていました。だからこそ精神の手帳をもらってAさんが今不安に感じている事を少しずつ減らしていけるようにしていたのに、一般的には専門機関と言われる介入によって、Aさんの気分が沈むことになって、余計な時間(これは本当に余計な時間ですよね。だってその間もAさんの不安は続いているうえに、更には沈み込むことになってしまったんですから)がかかるようになってしまいました。
上記の行政や社会福祉協議会の担当の発言はAさんから話を聞いていないので、事実かは分かりません。しかしAさんが私に伝えてくれたということはAさんの中の真実としては上記の通りのはずです。専門機関、って言っても行政の担当も数年で移動になるし、社会福祉協議会も単なる民間企業ですから、どこまで専門機関と言っていいのかは甚だ疑問ですが、それでもしっかりとSOSを受け取って、自分の発言が目の前にいる、もしくは電話の向こうにいる頼ってきてくれている方にとって、どのような影響を及ぼすのかをしっかりと今一度見つめなおしてもらいたいと思います。
それはもちろん行政や社会福祉協議会だけではなく、私もですけれども。

というわけで、このブログはOasisのWhateverを聴きながら書きましたが、この曲の歌詞のように
I'm free to be whatever(俺は好きに生きるぜ)
I'm free to say  whatever(俺は何を言ってもいいんだ)
Whatever I like if it's wrong or right, It's alright(気に入ったなら後はどうだっていいんだ)
ぐらいに日々過ごしてみたいものです。

ここの所ずっと更新が滞っていました。
ここの所と書きましたが、今年になってから初めての更新ですので、「ここの所」ではなく、「大分長い間」とかから書き出した方が良かったですかね。
それではここで一曲聞いてください、キロロで長い間です。

いやー、素晴らしい曲ですよね。
「逢えない時 受話器から聞こえる 君の声が かすれてる」
という一説が逢えない時間が長いからこそ、相手の声を聞いただけで感情があふれてきて、嬉しくて涙が出てきそうになって声がかすれてしまったのか、久しぶりに話すから緊張で声がかすれているのか、様々な想像を掻き立てさせられます。

とただ「長い間」というワードが出てきたので、そこからキロロの話題に進んでいる場合ではありません。何て言っても久しぶりの学生食堂をやりましたよ、というご報告が出来るわけですから早く本題に入らないといけません。

今日2月4日、いよいよバレンタインデーまであと10日となりました。
世の中の女性の皆さんは意中の男性にどうやってチョコを渡すのか、様々に試案を巡らせている事と思います。そして世の中の男性は果たして今年はチョコがもらえるのか、もらえるとしたら何個もらえるのか、片手でおさまるのか、はたまた両手か、トラックの荷台ぐらいか、気になるあの方からはもらえるのか、なんてバレンタインを女性から男性へのチョコの受け渡し日、と書くようでは令和5年のこのご時世に合致しないと言われてしまいますね。
女性同士の友チョコがあったり、LGBTも気にすることなく「誰であってもチョコ業界の罠に踊らされる日」ぐらいに捉えた方がチョコをやったり、もらったりに一喜一憂しなくてもすみますから。

とまた話が逸れてしまいましたが、2月4日、福島県二本松市の災害公営住宅若宮団地で2月の学生食堂をオープンしました。
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本日の学生食堂では福島大学の災害ボランティアセンターの現役メンバーとOBメンバーが参加してくれています。現役メンバーがOBメンバーに対して「今はこうして炊飯器の内釜に水を入れたら、一度フローリングに置いて水分量が正確かを確認するんですよ」と現在進行形のやり方を伝えています。ただしこのやり方が正しいかどうかは定かではありません。
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そしてみんなで協力してまな板がメトロノームになったかのように、リズミカルに玉ねぎを切っていきます。

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この大きな鍋が牛肉と玉ねぎで溢れんばかりになるぐらいです。
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一方、本日の学生食堂には手前の大学生が高校生の頃の恩師も駆けつけてくれましたので、2人で思い出話にはなを咲かせています。卒業してもこうしてしっかりと繋がりがある先生と生徒って良いですよね。このブログを書いている私の場合は残念ながら高校生の頃にお世話になった先生はもうかなり前になってしまいましたので、街中で偶然出会っても気付くことなくすれ違ってしまいそうです。
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鍋の中はこんな感じで、玉ねぎに火が通るのはまだ時間がかかりそうだったので、
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その間に抜き打ち記念写真です。後ろのメンズ達の真剣に鍋をかき混ぜている表情に対して、前の女性2人は良い表情をしていますね。
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余裕をもって準備して下りたキーマカレー8箱を全て使って完成したのが、こちらです。深いあめ色、ざく切りにした玉ねぎ、そしてコストコで買ってきた牛肉が満員電車みたいに所狭しと入っています。
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お昼になると若宮団地の皆様が数多く来てくださいました。皆さん集会所に入ってくるなり「あらー、いい匂い」と仰って下さいます。確かに野球で延長戦になった白熱の試合のピッチャーぐらいにルーを大量に投入しているので、集会所内はキーマカレーの香りで充満しているはずですが、ずっと建物内にいると全然気が使いないものです。
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本来だったら学生も団地の皆さんも一緒に食べたいところですが、下火になっているとは言え、マスクを外して一緒に食べるとコロナウイルスの感染リスクが高まってしまうということで、引き続き持ち帰って頂いて自室で食べてもらっていますが、受け渡しの時に学生と団地の方で楽し気に交流しているのが印象的でした。
というわけで、3月も学生食堂を実施する予定ですので楽しみにしていてくださいませ。

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