なんだか急に肌寒くなってきましたね。
つい先日までは、やれ暑いだ、とろけそうだ、
むしろとろけてしまった、そうだ今日からは軟体動物として生きていこうだ、
と異常気象とも思われる暑さに対しての不平不満を口にしていたのですが、
今日(9月10日)は半袖では肌寒いぐらいの福島県でした。
そんな日に二本松市に避難している浪江の方が組織している
コスモス会で福島県共同募金会から助成金の交付を受けてバス旅行を実施してきました。
バス旅行のタイトルは「ツミツミツアー in いわき」です。
そしてホジホジとかムシャムシャとか擬音を2回繰り返す言葉は聞いたことがありますが、
ツミツミとは耳にしない言葉ですね。
これが将棋だったら投了の状態かもしれませんし、
一生懸命積み木を積み上げている時の効果音かもしれません。
でもこのツミツミはブドウ狩りとトマト摘みをイベントのメインとしている所からの
ツミツミです。
一般社団法人ちろるではコスモス会さんからオファーを受けて、二本松からいわきまでの
バスの車内を盛り上げてもらいたいというオファーを受けてレクリエーションの講師として
イベントに参加させて頂きました。
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福島県でブドウ狩りと言うと福島市のフルーツラインが有名かもしれませんが、
参加者の皆さんが浪江の方と言う事で、避難する前に生活していた地域に近い所ということで、
今回はいわき市に行き、いわきで唯一観光果樹園を実施している千本桜で有名な
夏井川渓谷の近くにある葡萄の里さんへお邪魔しました。
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どれもジューシーで葡萄を頬張ると、口いっぱいに甘さがこれでもかというくらいに
広がりました。中毒性があるんじゃないかというくらいに食べだしたら止まりません。
そして、葡萄でお腹を満たした後は
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これまたいわきの年間を通して美味しいトマトを自分で収穫してお持ち帰りが出来る
ワンダーファームさんへお邪魔しました。
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トマトの上手なもぎ方のレッスンを受けた後は、
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袋に様々な種類のトマトを自分の好きなように収穫することが出来ます。
赤や黄色、緑、そして紫っぽいトマト、
丸や楕円、ロケット型、灰皿型や葉巻型と途中からはトマトの形からUFOの形状
になってしまいましたが、色々なトマトがあるんですね。
そして心置きなくトマトを収穫した後は、
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いわき・ら・ら・ミュウによって昼食です。
普通に発音すると「いわきららみゅう」と言ってしまいますが、正式には
途中に・が入ったりミュウがカタカナだったりするんですね。
「つのだひろ」さんも正式には「つのだ☆ひろ」と表記するように、
間に☆が入っていても発音しない。
フランス語では単語の先頭にhが来た時には発音しない、無音のアッシュと言われるものが
あるように、つのだとひろの間に☆が来ても発音しない、つのだのスターと言われるものも
あるかもしれません。
というわけで、いわき・ら・ら・ミュウでバスのトランクだけでは積みきれず、
助手席までお土産の山になるくらいに海産物を買っていらっしゃいました。
葡萄を摘み、トマトを摘み、山盛りの荷物を積みと事業名通りの
ツミツミツアーとなりました。

ちょうど今フジテレビ系列の27時間テレビで「日本人は何を食べてきたのか」を
テーマに番組をやっていますが、 皆さんは何を食べて育ってきましたか?
中にはふっくらとした六枚切りのパンを食べて育ってきたという方もいるかも
しれませんし、地中海に降り注ぐ太陽を一身に浴びて育ったトマトをたっぷり
使ったパスタで育ってきたという方もいるかもしれません。
額に肉と書いてあるプロレスラーならば牛丼かもしれませんし、
額に中と書いてあるプロレスラーならばラーメンかもしれません。
でも、一般的な日本人であればお米を食べて育ってきたという方が
多い事でしょう。
そこで本日(9月9日)、一般社団法人ちろる主催で参加してくれた方に
美味しいお米を食べてもらうイベント「米試食会」を開催させていただきました。
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東日本大震災により二本松に避難している方を対象に、
どこかの団地でとかではなく、民間借り上げ等にお住いの方にも集まりやすい
ように二本松の安達高校近くに事務所を構えるNPO法人新町なみえさんの
事務所をお借りして実施させて頂きました。
参加者は当初20名以上の予定だったのですが、雨や諸事情で減ってしまいましたが、
それでも15名の方が来てくれました。
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「腹が減っては戦はできぬ」ということわざがありますが、
逆に「腹がいっぱいでは食事はできぬ」ということわざは残念ながらないですが、
実際問題腹がいっぱいで食事ができる人はそれほど多くないと思いますので、
まずはレクリエーションを通して交流をさせていただきました。
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そしていよいよ小腹が空いてきたかしら、というところで、
忠犬ハチ公よりは短いですが、それでも待ちに待った美味しいお米の試食です。
話が逸れますが、今「ちゅうけんはちこう」を漢字変換したら、最初に
「中堅ハチ公」と変換されました。もう新人ではないし、かと言ってベテランではない、
そんな微妙な立ち位置の中堅ハチ公を想像してついついクスッとしてしまいました。
と、話を戻しまして、
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これが本日の献立。白米と豚汁と漬物。
部屋とワイシャツと私。みたいな感じで、愛するあなたの為、毎日腕を振るうから~♪
という歌詞まで出てきてしまいそうになりますが、参加者からは
・とっても美味しいお米でした。
・甘みがあり、粘り気もしっかりあり、美味しいお米を堪能できました。
と言った声が聞かれました。
この美味しいお米を作ってくださったのが、大玉村で圃場を栽培する武田農園の武田藤男さんです。
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武田さんに米作りに携わるようになった経緯や、どのようにお米を作っているのか、
お米を作る上でのこだわりについて語っていただきました。 
武田さんは平成29年12月にJAふくしま未来おいしいお米コンクールにおいて、
福島、伊達、安達、相馬の4地区のコシヒカリの部の最優秀賞を受賞されています。
化学合成農薬や化学肥料を削減して作った特別栽培米を高性能の選別機にかけて、
きちんとした温度で保管して、美味しい状態で食べてくれる人の口に入るようにしたい。
 確たる実績があり、これからも美味しいお米を作っていきたいという、
その語り口からほとばしる熱量が、聞いていてヒシヒシと伝わってきました。
やはりしっかりと手間をかけるから、お米もそれに応えてくれるんですね。 

なんだか雨模様ですね。
せっかくの土曜日なのに、こんな天気だと洗濯が出来なくて
がっかりです。
でも福島でノホホンと洗濯が出来なくてがっかりとか
言っている場合ではありません。
台風21号の影響で関西地方は大変なことになっていますし、
地震の影響で北海道も大変なことになっています。
まだ電気が使えない場所も、水道が使えない場所もあると思いますし、
安否が不明な方もいらっしゃることでしょう。
一刻も早い復旧を願います。
普通に蛇口をひねれば水が出て、明かりのスイッチを押せば電気がつく。
そして見慣れた家族の顔があるというような日常。
それが当たり前の事として、ついついそのような日常に感謝するということを
忘れてしまいがちですが、有時になって初めて、当たり前の日常が送れる
事がどれほどありがたい事なのかに気付くんですよね。
「有難い」とは「有ることが難しい」と書くわけですから、それは決して当たり前の
事ではないはずなのに、平時にはそれを忘れてしまいがちです。
平常時に出来ないことは有事の際にも出来るわけがないので、
何もない時からしっかりと様々なことに対する備えをしっかりとしていきたいものです。

と、今回は前置きではなく、しっかりと書かなくてはいけないことから始まりましたが、
本日(9月8日)、NPO法人福島やさい畑~復興プロジェクト~が主催する
二本松市内にあります若宮団地及び若宮近隣の借り上げ住宅にお住いの方々が
交流する為の事業に、一般社団法人ちろるへもイベントを盛り上げてもらいたいとの
オファーがありまして、お邪魔してきました。
なおこの事業は、福島県共同募金会からの赤い羽根共同募金を活用して実施されて
います。来月から全国的に赤い羽根共同募金運動がスタートしますが、
皆さんが募金してくださる貴重な浄財はこのような活動にも活用されていて、
そこに参加する人を笑顔にしているんですね。
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というわけで、本日の交流事業にはおおよそ25人(大体そのぐらいだったと思うのですが、
両手では数えきれなかったので、おおよそと使わせていただきます)が参加しました。
4グループに分かれて、1グループには6名から7名で、なるべく知らない人同士で
グループを作り、自己紹介ゲームをしました。自分の事だけを紹介するのではなく、
〇〇さんの隣の誰それ、とか〇〇さんの隣の〇〇さんの隣の誰それ、
のように自分だけではなく、同じグループの人の話もしっかりと聞いていないと
他の人のことを第三者に伝えることが出来ません。
出来なくて考え込んでいる姿やついつい名前を間違えてしまったりとしたところで、
会場全体に笑いが起こり、一気に和やかな雰囲気になったところで、待ちに待った
食事です。
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楽しく美味しい食事に舌鼓を打った後は、豪華景品をかけてのビンゴ大会。
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やさい畑さんではフードバンクも実施しており、フードバンクでもいよいよ消費期限が近くなった
物等を景品にしたのですが、景品がもらえるとなると真剣みが違いますね。
今まで若宮団地では様々な企画を実施してきたとのことですが、
今回のイベントが一番多く人が集まったそうです。
一番多く集まったということは、事業の中身が優れていたからということもあれば、
やはりまだまだ交流の働きかけが必要ということなのでしょうね。
一般社団法人ちろるでも自分の所でも避難者交流事業を実施していきますし、
他の団体からもオファーを頂ければお手伝いに伺いますので、
誰かがではなく、みんなで笑顔になれるような、ラフメイカーとしての働きかけを
していく気持ちを一新しました。 

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