今日はクリスマスイブですから、普通に歩いているつもりでもついついリズミカルになったり、普段は眉間に皺を寄せている気難しい方であっても、自然と口角が上がっているかもしれません。
そんな12月24日、一般社団法人ちろるでは二本松市にあるラポート安達さんの場所をお借りして「ちろるクリスマス会」を実施しました。
ラポートは心理学用語で「人と人との間がなごやかな心の通い合った状態のこと」を言います。現在二本松市内には元々二本松市で生活をしていた方も当然いますし、東日本大震災及び福島第一原発事故によって二本松市に避難して来た方もいらっしゃいます。その避難してきた方は市内にある4つの復興公営住宅と呼ばれる団地や、借り上げ住宅、自己再建住宅等様々な場でそれぞれの生活をおくっています。
各団地内での交流事業は盛んにありますが、団地や借り上げ住宅、自己再建住宅 、そして二本松市の地元住民の壁を取っ払い、一同に会して、交流事業が出来ないか、ということでクリスマス会を企画しました。
というわけで、会場のラポート安達さんの名前につながってくるわけです。交流事業を実施するにあたって、ラポートという名前以上の会場はないですよね。
もちろんちろるだけではこんな大がかりな事業を実施出来ません。安達高校と福島大学災害ボランティアセンターの学生ボランティアの皆さんの協力があってこそ、今回のイベントが実施出来ました。
と、前段であんまりツラツラと文章ばかりが続くと読んでいる方も退屈でしょうし、本文で書くこともなくなってしまいます。私の文才が草津温泉の湯量ぐらいに次から次に湧いて来れば何の問題もありませんが、残念ながら枯れかけの井戸みたいなものですから、時系列的に本日のイベントを紹介しながら解説を入れていきます。
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こちらが本日のらぽーと安達さんの会場です。午前8時にはこの状態だったのが、ものの数分で、というと誇張しすぎでコンプライアンスに引っかかるかもしれませんので、桜の枝を折った事を正直に話したワシントン大統領のように正直に言うと20分ぐらいで、
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来場者を待つばかりにセッティングが完了しました。
ステージ脇には
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福島大学のボランティアのメンズ2名がクリスマスツリーを映えを意識して作成してくれました。この2名だけではなくて、
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安達高校から7名、福島大学から4名のウィメンズボランティアも参加してくれました。と、性別で分ける必要は全くなく、全部で13名のボランティアが朝早くからそれぞれが獅子奮迅の活躍をしてくれました。
受付から物販、来場者への接客など、主体性をもって動いてくれたからこそ、10時のクリスマス会開会の時には、
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こんな感じで90名を超す方が心穏やかに着座しておられます。
皆さんの視線の先では
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恥ずかしながら私が主催者あいさつをさせていただいておりました。本当は今日までの準備の話やクリスマス会に集まってくださった皆様への感謝の気持ちを語りつくしたかったのですが、それをしてしまうと年末特番ぐらいの長さになってしまうので、さっそく

二本松市内で就労支援事業所のアクセスホームさくらさんによる手話の披露です。
ステージで大勢の前で手話を披露するのはきっと恥ずかしさや照れなどもあったと思います。そんなアクセスホームさくらの皆さんの背中を押したのが、1曲目に披露してくれた『勇気100%』であることは想像に難くないです。
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そして『栄光の架け橋』の手話では、このステージで発表をしてくださる為にアクセスホームさくらさんで練習をした事を身に沁みこませる為に自宅で復習したり、夜近所の公園で汗だくになっての特訓シーンなどを勝手に想像してしまいウルッと来てしまいました。
後から職員さんに伺ったところ、およそ1ヶ月ぐらいの練習期間だそうです。そして今回のちろるクリスマス会以外にも色々なところでステージ発表をされているそうなので、興味がある方は二本松界隈の発表会に足を運んでみてください。
続きましては、
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こちらも二本松市内の就労支援事業所コーヒータイムさんのダンスです。
心のこもったダンスは見ている側も自然と体が動いちゃいますよね。というわけで、
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コーヒータイムさんのダンスと同じ振付をする方から、手拍子を肩甲骨の運動でもしているのかというぐらいに腕を大きく動かしている方まで、それぞれの楽しみ方で会場が一体となりました。
そしてまた私はコーヒータイムさんのダンスを見ながら、勝手に今日のステージに上がってくれるまでを妄想して、ウルッと来てしまいました。
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こちらの写真は初売りやバーゲンセールの会場ではありません。
先程手話を披露してくれたアクセスホームさくらさんではマフィンやラスク等の美味しいお菓子の製造、販売もやっており、いつもはアクセスホームさくらさんの事業所に行かないと買えないのですが、今日は出張販売もしてくれています。そして大盛況です。
そしてステージに戻ると、
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安達高校の吹奏楽部の皆さんが素敵な音色を奏でてくれました。今日はクリスマスイブですから、クリスマスにちなんだ曲から、今年流行った曲までレパートリーがマライアキャリーの音域ぐらい広いです。
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更には吹奏楽部の皆さんの演奏だけではなく、音楽部の皆さんの歌声まで加わって、より一層素敵なハーモニーを披露してくれました。菅田将暉だけでも十分なのに、そこに米津玄師まで加わりました、みたいな感じです。
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そして米津玄師のソロ、じゃなくて合唱部のソロパートですが、そこに吹奏楽部と音楽部の顧問を兼任されている先生も加わっての演奏です。なんで合唱部の皆さんの歌声って、こんなにも透き通っているんでしょうか。癒されるというか魂が浄化される、という感じがします。Official髭男dismの高音が最近のマイブームでしたが、そこに安達高校合唱部の皆さんの歌声も加わりました。
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最後は先生が指揮をして、「ふるさと」の合唱です。日本人の琴線にふれると言いますか、きっと今日参加してくれた皆さんがそれぞれの原風景に思いを寄せたことでしょう。
先生に後から話を伺いましたら「生徒の自主性を重んじています」と仰っておられましたが、吹奏楽部の皆さんや音楽部の皆さんだけではなく、安達高校のボランティアの皆さんも普段から自主性を重んじている教育方針の元で学校生活を送っているからか、主体性をもって積極的に行動出来ているのはそういうことか、と合点がいきました。
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そして10時から始まったクリスマス会ですが、楽しい時間は過ぎるのが早いもので、お昼の時間があっという間にやってきました。参加者の皆さんも
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ボランティアの皆さんも一緒に昼食です。
そして美味しい食べ物はなくなるのもあっという間でして、
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午後の部に突入です。午後は豪華景品をかけてのビンゴ大会。
豪華クルーズで巡る世界一周旅行から始まり、ロサンゼルス7日間の旅、熱海温泉2泊3日等の景品はあるはずもないのですが、今の時期にぴったりのヒーターや胃袋が満たされ体が温まるカップラーメン、そして福島県県北及び相双地区の美味しいお米にも選ばれた米5キロや3キロが所狭しとならんでいます。
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「レッツビンゴ―」の掛け声をかけてもらった時の様子ですが、皆さん勇ましいですね。
片腕を天高く突き出し、口をこれ以上ないぐらいに大きく広げ、腹の底から「ヨーソロー」と声を張り上げ、日本船二本松号に乗っている乗組員は出港した、とナレーションが入っても不思議ではない感じですね。
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公正を期すために参加者の皆さんにビンゴマシーンのストップボタンを順次押してもらっています。
一つ数字が読み上げられる度に「おっしゃー、あった」や「ねーぞ」という声が飛び交います。
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参加者の部で一位になった方です。ビンゴをなかなか当たらなかったとしても最後まで楽しんでもらえるように、ビンゴになった方からくじを引いて、そのくじに書いてある番号が書かれた商品をもらうことが出来ます。そしてビンゴで一位になり、商品もお米と豪華です。普段からよほど徳の高い生活を送っていらっしゃるんでしょうね。
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学生ボランティアの部で一位になった方です。こちらは保冷バックやお菓子など、可愛らしい商品が目白押しですが、この商品はなんでしょうか。光が当たっていてよく分かりませんが、とりあえず黒い何かです。
そしてビンゴ大会の後には、全員参加のじゃんけん大会。
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子どもから高齢者まで、どこに住んでいようが関係なく一緒に楽しんでおります。
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そしてこちらもお米が景品で出ているので、真剣そのものです。
そして時の経つのは早いもので、あっという間に午後2時少し前になってしまったので、クリスマス会終了の時間になりました。最後に閉会のあいさつをさせていただいたのですが、果たしてこれだけ多くの方をお招きしてのイベントが実施できるのか不安で、昨日も眠れない夜を過ごしたのですが、皆さんの前に立って、皆さんの楽しんでいる表情を見たら、感極まってしまい、涙ながらの閉めの言葉になってしまいました。
今回のクリスマス会は復興公営住宅表団地と共催ということで実施しました。そしてこのクリスマス会を実施するに当たりまして、
・公益財団法人キリン福祉財団様の平成31年度「キリン・地域のちから応援事業」
・福島県共同募金会様の2019年度赤い羽根「災害ボランティア・NPO活動サポート募金2被災地住民支え合い活動助成事業」
・福島県様の「令和元年度福島県内避難者・帰還者心の復興事業補助金」
を活用させて頂き実施しました。
またビンゴ大会の商品は、
・フードバンク二本松(福島やさい畑)様
からの寄贈を受けたものです。
多くの皆様にご支援、ご協力を頂いてちろるクリスマス会を無事に実施することが出来ました。
今年1年一般社団法人ちろるでは避難者支援の活動を実施し続けてきましたが、その集大成として今回のクリスマス会を実施し、今日来てくださった皆様に楽しんでいただき、これまで以上の繋がりが出来て、日常的に例えばスーパーに買い物に行った際に、今日来ていた人同士がばったり会って「あら、この前クリスマス会で来てた人でしょ」なんていう会話が生まれ、それが交流の第一歩になってくれたら嬉しく思います。
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最後に今日会場準備から後片付けまで手伝ってくれた安達高校と福島大学のボランティアの皆さんです。
今日のイベントはこの写真に写っている誰か一人が欠けても上手くいかなかったかもしれません。
いくら若かろうがぐったりだと思いますが、それでもやり遂げた充実感溢れる素敵な笑顔ですね。

一般社団法人ちろるでは来年もまた二本松市を中心に、避難者の方やもちろんそれ以外の方も、地域で孤立することなく、繋がりの中で生きがいや楽しみをもって、その人らしく生活をしていくことを支援していきたいと思います。
今年一年、関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。 
 来年もご支援、ご協力をよろしくお願い致します。